2025/09/01

建築家が提案する間取りの工夫|共働き世帯における家事動線徹底ガイド

共働き世帯における家事動線とは?

共働き世帯が増える今、家事にかかる時間や負担をどう軽減するかは、多くのご家族にとって大きなテーマです。「毎日忙しくて片付けが追いつかない」「洗濯や料理がスムーズにできずストレスを感じる」
そんなお悩みの背景には、実は家事動線の設計が大きく関わっています。

家事動線とは、料理・洗濯・掃除などの家事を行う際に、人が家の中をどう動くかを示した流れのこと。効率の良い動線は時間の短縮につながり、毎日の暮らしを驚くほどラクにしてくれます。

そして、この家事動線を最大限に活かすために欠かせないのが建築家の視点です。建築家はご家族の生活スタイルを丁寧にヒアリングし、敷地条件や予算を踏まえながら「忙しくても家が整う」「効率よく暮らせる」住まいを提案します

■共働き世帯と家事動線の関係

なぜ家事動線が重要なのか?
共働き世帯の家事時間は平日平均で約2〜3時間。仕事・子育て・プライベートの合間に家事をこなすため、住まいの設計において「効率よく動けること」が非常に重要です。

動線が悪いと起きやすいストレスの例
・洗濯物を運ぶ距離が長い
・ゴミ出しや収納が遠回り
・子どもを見ながら料理できない
・帰宅後に荷物が散らかる

■家事動線が整うことで得られるメリット
・家事時間の短縮につながる
・片付けやすく、散らかりにくい住まいになる
・家族のコミュニケーションが自然に増える
・毎日のストレスが減り、気持ちに余裕が生まれる

さらに、動線が整うことで「家事シェア」がしやすくなるのも大きなポイントです。共働き世帯では夫婦どちらかに負担が偏りがちですが、合理的な動線なら「自然と手伝える」環境が整います。


■建築家が考える家事動線のアイデア


■キッチンを家の中心にする

料理中でも洗濯や掃除、子どもの様子に目が届くように、キッチンを中心に配置すると動線が短くなります。
・料理をしながら洗濯機の様子を確認
・子どもがリビングで遊ぶ姿を見ながら家事

こうした「ながら家事」がしやすくなり、忙しい共働き世帯にとって大きな助けになります。さらに建築家は、キッチンの種類(壁付け型・対面型・アイランド型)を暮らし方に応じて提案します。例えばアイランド型キッチンなら回遊性が高く、複数人で料理しやすくなるため、共働き家庭には人気です。

洗濯動線をまとめる

「洗う → 干す → たたむ → しまう」をできるだけ近くで完結できるように設計します。例えば、脱衣所の隣にランドリースペースを設け、そのすぐ横にファミリークローゼットを配置するなど。

建築家はさらに「部屋干し用のサンルーム」「風が抜ける窓配置」なども考慮し、日常のストレスを軽減します。図面上や仕様書でいくら良い数値が書いてあっても、 実際の施工精度が伴っていなければ、その性能は”絵に描いた餅”です。

私は大工としてずっと現場に立ってきました。だからこそ、「設計図に書いてある性能を、ちゃんと現場でカタチにできるかどうか」そこが最も大事だと感じています。

回遊できる動線で効率化

キッチン・水回り・玄関・リビングをぐるっと回遊できるように設計すると、家事の同時進行がスムーズになります。
掃除機をかける時や、子どもを見守りながらの炊事など、「家の中を行ったり来たりするストレス」が大幅に減ります。

さらに、回遊動線は「家族がぶつかりにくい」設計でもあります。朝の混雑する時間帯でもスムーズに移動できるため、家庭内の小さなイライラを減らしてくれる効果もあります。

30坪前後の総二階で家事動線を工夫する方法

クラフトハウスで建てる家は、30坪前後・総二階のプランを選ばれる方が多くいらっしゃいます。

総二階は面積をもっとも効率よく活かせる、コストパフォーマンスの高い建て方です。ただしこの場合、理想的な「ランドリーとファミリークローゼットを隣接させる動線」が難しく、水回り(1階)とファミクロ(2階)が別の階になるケースも少なくありません。

では、どうすれば家事がラクになるのでしょうか?

1.サブ収納を水回り近くに設ける

洗面脱衣室の横や廊下に、小さなクローゼットや可動棚を設けることで「毎日使うもの」だけをまとめられます。
タオル・下着・パジャマなどを水回りで完結できれば、階段移動の負担を減らせます。

2.ファミクロは“家族全体の衣類”用に

ファミリークローゼットは「家族全員の衣類」や「季節物」をメインに収納。使用頻度の低いものを集めることで、動線を分散できます。

3.移動を前提にしても最短にする

階段の位置や収納の配置を工夫すれば、移動のストレスを最小限にできます。建築家は「階段近くにランドリースペースを配置」「廊下から直接ファミクロにアクセス」など、細かい設計で家事の負担を軽減します。

建築家視点で考える「家事動線と暮らし方」

建築家は家事動線を「効率」だけで考えません。その家に住むご家族がどんな暮らしを送りたいかを起点に設計します。

・子育て世帯 → 子どもの成長に合わせて柔軟に変化する動線
・共働き夫婦 → 時短とストレス軽減を第一にした動線
・将来を見据えた暮らし → 少ない移動で快適に暮らせる動線

つまり、家事動線は「ただの効率化」ではなく、暮らし方を支える仕組みなのです。

家事動線を考える際の注意点

1.今だけでなく将来も考える

子どもが小さい時・独立した時・夫婦二人になった時など、ライフステージごとに動線は変わります。10年先、20年先を見据えて計画しましょう。

2.収納計画とセットで考える

動線がスムーズでも収納が不足していると、モノがあふれて結局片付きません。特に共働き世帯では「使ったらすぐにしまえる位置に収納があるか」が大きなポイントになります。

3.家族全員の動きを意識する

動線は「家事をする人目線」だけでなく、夫・子ども・親など複数の視点で考える必要があります。家族がぶつからず、自然に協力し合える動線設計は、家族の関係性も良くします。

4.コストとのバランスを忘れない

理想を詰め込みすぎると予算オーバーになってしまいます。建築家は要望を整理し、「効率的かつコストを抑えたプラン」を導き出してくれるので、優先順位を明確にして相談しましょう。

まとめ|建築家とつくる共働き世帯のための家

共働き世帯にとって家事動線は「暮らしの質」を左右します。
・キッチンを中心に据えた間取りで“ながら家事”を実現
・洗濯動線をまとめて時短を叶える
・回遊動線で複数の家事を同時進行
・30坪前後の総二階でも工夫次第で快適に暮らせる

建築家はご家族の生活スタイルを丁寧にヒアリングし、敷地や条件に合わせて最適なプランを提案します。忙しい毎日をラクにし、家族との時間を増やすために。建築家との家づくりで、共働き世帯に最適な住まいを実現しましょう。

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