Facade_1
外観はシンプルかつシックながら、大胆なスリットの入ったファサードデザインが印象的。駐車スペースも無機質にならないよう目地に緑を添えた。
Eさん夫婦が建築家に注文したものは、夫婦2人の時間を楽しみ、子供たちが家族を連れて帰ってきたくなるような家でした。建築家は、延床面積が25坪以下というコンパクトな住まいながら部屋同士の仕切りを減らして空間をつなぎ広がりを持たせ、床レベルを変えることで空間を仕切り、大人数の来客時にも対応可能な居場所を実現しました。
ダイニングキッチンを明るく快適な空間に、リビングは落ち着いた照明が似合う大人のリラックス空間に設えました。
1階2階には「朝のテラス」「デッキテラス」「星のテラス」と3つのテラスを設け、多様なシチュエーションで外部空間を楽しむことができ、子供たちが家族を連れて帰ってきたくなるようなホテルライクな大人の住まいとなりました。
建築家/齊藤 真二
(Atelier if 一級建築士事務所)
「今迄住んでいた家を手放し、悔いの無い終の住処を建てたい!」夫婦で日々の楽しい時間を共有しながらも、成人したご子息家族達が気兼ねなく帰省できる「格好いい家(マスト)」を希望。生活感を上手く押さえつつ、家族の集まりにも対応した住まい。
朝カフェが出来たり、昼は皆でバーベキュー、夜は夫婦の時間を大切に月夜で一杯。それぞれ異なる場所に趣のある外部空間も構成されている。別荘感覚で住み続けられる…住み続けたい…飽きのこない家を施主と共に目指し、23坪という狭小のなかでホテルライクな住まいを実現。
住宅地のは入口から一番奥にある計画地。通りの奥に位置してもシンボリックに見える外観形成としました。
立地の好条件を活かし、南側に大きな開口を開けて日射取得量を確保。西面はファサード優先もあったが、日射遮蔽の観点から開口部を設けない選択をしました。季節のいい時期に気持ちのいい風が通るよう、建具レスの空間性を利用し通風出来るような開口配置とした。
建築家プロフィール/齊藤 真二外観はシンプルかつシックながら、大胆なスリットの入ったファサードデザインが印象的。駐車スペースも無機質にならないよう目地に緑を添えた。
スリット部分のエントランスはトーンの違う塗り壁に木製玄関がアクセントになっている。
玄関奥には「朝のテラス」が。夫婦で朝のコーヒーを飲む「朝のテラス」は玄関からも視線が抜けてテラス越しに庭も見え、開放的な空間となっている。朝日が当たらない方向なので夏の朝も涼しく過ごせる。
土間玄関部分は広めになっており、来客が多くても靴の置き場には困らない。通常玄関は暗くなりがちだが、テラスがあることによって自然光が入ってくる。
ダイニングからリビング越しに玄関土間を見る。間接照明を効果的に用いた室内は、ホテルライクなラグジュアリー感で満たされている。階段右側の洗面室とトイレに続く通路は家の形の開口として空間にアクセントを。
玄関土間から廊下や間仕切りなくそのままリビングダイニングへ。家具はこの家の落ち着いた雰囲気に合わせてカリモクで統一している。
ダイニング部分は一段下げることで空間の間仕切りにもなりつつ、段差がベンチ代わりにも背もたれとしても使用でき、多様な空間を演出している。
キッチン背面に飾れるオープンラックを設け、お気に入りの容器や雑貨を楽しむ。床を一段下げているので、ダイニングに座る人と視線を合わせられ、「カフェのようなキッチンが欲しい」という要望が叶えられた。
2階のセカンドリビングと寝室も間仕切りなしでつながる。ベッド部分のみあえて床のレベルを上げることで空間に穏やかな変化を与え、物理的に段を上がることで「就寝へのスイッチ」という心理的効果も。3列あるクローゼットの間を通して目覚めたときに、ベッドから山が見えるのが爽快で「朝起きて幸せを感じます。」とご主人。
夫婦で朝のコーヒーを飲む「朝のテラス」。その先にはプライバシーを確保したプライベート空間が。子供たちが帰省してきた際には子供や孫たちのうれしい遊び場に。
ダイニングに隣接しバーベキューも楽しめるデッキテラスを。高さのある塀が外からの視線を遮り、ダイニングの延長として室内空間を広く見せる効果もあります。
昼は山の景色を、夜は星空を堪能できるプライベート感満載の「星のテラス」。湯上りにビール片手の夕涼みも。洗濯物の物干しスペースとしても利用できる。